駐車場法施行令
(昭和三十二年十二月十三日政令第三百四十号)
最終改正:平成一二年六月七日政令第三一二号


内閣は、駐車場法 (昭和三十二年法律第百六号)の規定に基き、及び同法 を実施するため、この政令を制定する。


第一章 駐車場整備地区(第一条・第二条)
第一章の二 路上駐車場(第三条―第五条)
第二章 路外駐車場
第一節 構造及び設備の基準(第六条―第十五条)
第二節 駐車料金等(第十六条・第十七条)
第三章 特定用途(第十八条)
第四章 雑則(第十九条)
附則

   第一章 駐車場整備地区

(駐車場整備地区を定めることができる特別用途地区)
第一条  駐車場法 (以下「法」という。)第三条第一項 の政令で定める特別用途地区は、次に掲げる施設に係る業務の利便の増進を図ることを目的とする特別用途地区とする。
一  小売店舗
二  事務所
三  娯楽・レクリエーション施設
四  流通業務施設その他自動車の駐車需要を生じさせる程度の大きい特別の業務の用に供する施設
(路上駐車場の配置及び規模の基準)
第二条  法第四条第二項第四号 に掲げる路上駐車場の配置及び規模は、次に掲げる基準によるものとする。
一  路上駐車場は、駐車場整備地区内及びその周辺にある路外駐車場その他の自動車の駐車の用に供される施設又は場所との関連を考慮してその配置及び規模を定めるとともに、駐車場整備地区内におけるその適正な分布を図ること。
二  路上駐車場は、主要幹線街路に設置しないこと。ただし、分離帯その他の道路の部分で道路の交通に支障を及ぼすおそれの少ないものに設置するときは、この限りでない。
三  路上駐車場は、歩道と車道の区別のない道路に設置しないこと。ただし、幅員が八メートル以上ある道路の歩行者の通行及び沿道の利用に支障を及ぼさない部分に設置するときは、この限りでない。
四  路上駐車場は、歩道と車道の区別のある道路にあつては、その車道の幅員が六メートル未満の道路に設置しないこと。
五  路上駐車場は、縦断勾配が四パーセントを超える道路に設置しないこと。ただし、縦断勾配が六パーセント以下の道路で、歩道と車道の区別があり、かつ、その車道の幅員が十三メートル以上のものに設置するときは、この限りでない。
六  路上駐車場は、陸橋の下又は橋に設置しないこと。
七  路上駐車場は、道路交通法 (昭和三十五年法律第百五号)第四十四条 各号に掲げる道路の部分又は同法第四十五条第一項第一号 若しくは第三号 から第五号 までに掲げる道路の部分に設置しないこと。
八  路上駐車場は、当該路上駐車場を設置する道路の幅員及び交通の状況に応じ、車両の通行に必要な幅(少なくとも三・五メートル)の道路の部分を保つように設置すること。

   第一章の二 路上駐車場

(駐車料金を徴収することができない自動車)
第三条  法第六条第一項 ただし書の政令で定める自動車は、道路工事その他特別の理由に基づき当該路上駐車場に駐車することがやむを得ないと認められる自動車で、国土交通大臣が定めるものとする。
第四条  削除
(路上駐車場の管理に要する費用)
第五条  法第七条 の路上駐車場の管理に要する費用は、次の各号に掲げる費用とする。
一  路上駐車場の設置、維持及び修繕に要する費用
二  駐車料金及び割増金の徴収に要する費用
三  前二号に掲げる費用の財源に充てるための一時借入金の利息の支払に要する費用

   第二章 路外駐車場

    第一節 構造及び設備の基準

(適用の範囲)
第六条  この節の規定は、路外駐車場で自動車の駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上であるものに適用する。
(自動車の出口及び入口)
第七条  自動車の出口(路外駐車場の自動車の出口で自動車の車路の路面が道路(道路交通法第二条第一号 に規定する道路をいう。以下この条において同じ。)の路面に接する部分をいう。以下この条において同じ。)及び入口(路外駐車場の自動車の入口で自動車の車路の路面が道路の路面に接する部分をいう。以下この条において同じ。)は、道路交通法第四十四条 各号に掲げる道路の部分、横断歩道橋(地下横断歩道を含む。)の昇降口から五メートル以内の道路の部分、小学校、盲学校、聾学校、養護学校、幼稚園、保育所、知的障害児通園施設、肢体不自由児通園施設、情緒障害児短期治療施設、児童公園、児童遊園若しくは児童館の出入口から二十メートル以内の道路の部分(当該出入口に接するさくの設けられた歩道を有する道路及び当該出入口に接する歩道を有し、かつ、縁石線又はさくその他これに類する工作物により車線が往復の方向別に分離されている道路以外の道路にあつては、当該出入口の反対側及びその左右二十メートル以内の道路の部分を含む。)、橋、幅員が六メートル未満の道路又は縦断勾配が十パーセントを超える道路に設けてはならない。
2  前項の規定は、自動車の出口又は入口を道路交通法第四十四条第一号 に掲げる道路の部分(トンネルに限る。)又は橋に設ける路外駐車場であつて、必要な変速車線を設けること等により、国土交通大臣が当該出口又は入口を設ける道路の円滑かつ安全な交通の確保に支障がないと認めるものについては、適用しない。
3  国土交通大臣は、前項の規定による認定をしようとするときは、あらかじめ、関係のある道路管理者及び都道府県公安委員会の意見を聴かなければならない。
4  路外駐車場の前面道路が二以上ある場合においては、自動車の出口及び入口は、その前面道路のうち自動車交通に支障を及ぼすおそれの少い道路に設けなければならない。ただし、歩行者の通行に著しい支障を及ぼすおそれのあるとき、その他特別の理由があるときは、この限りでない。
5  自動車の駐車の用に供する部分の面積が六千平方メートル以上の路外駐車場にあつては、自動車の出口と入口とを分離した構造とし、かつ、それらの間隔を道路に沿つて十メートル以上としなければならない。
6  自動車の出口又は入口において、自動車の回転を容易にするため必要があるときは、すみ切りをしなければならない。この場合において、切取線と自動車の車路とのなす角度及び切取線と道路とのなす角度を等しくすることを標準とし、かつ、切取線の長さは、一・五メートル以上としなければならない。
7  自動車の出口附近の構造は、当該出口から二メートル後退した自動車の車路の中心線上一・四メートルの高さにおいて、道路の中心線に直角に向かつて左右にそれぞれ六十度以上の範囲内において、当該道路を通行する者の存在を確認できるようにしなければならない。
8  前四項の規定は、自動車の出口又は入口を道路内に設ける場合における当該自動車の出口(出口附近を含む。)又は入口については、適用しない。
(車路)
第八条  路外駐車場には、自動車が円滑かつ安全に走行することができる車路を設けなければならない。
2  自動車の車路の幅員は、五・五メートル以上としなければならない。ただし、一方通行の車路にあつては、三・五メートル(当該車路に接して駐車料金の徴収施設が設けられており、かつ、歩行者の通行の用に供しない箇所にあつては、二・七五メートル)以上とすることができる。
3  建築物(建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号 に規定する建築物をいう。以下同じ。)である路外駐車場の自動車の車路の構造は、前二項の規定によるほか、次の各号に定めるところによらなければならない。
一  はり下の高さは、二・三メートル以上であること。
二  屈曲部(ターンテーブルが設けられているものを除く。)は、自動車が五メートル以上の内のり半径で回転できる構造であること。
三  傾斜部の縦断勾配は、十七パーセントを超えないこと。
四  傾斜部の路面は、粗面とし、又はすべりにくい材料で仕上げること。
(駐車の用に供する部分の高さ)
第九条  建築物である路外駐車場の自動車の駐車の用に供する部分のはり下の高さは、二・一メートル以上でなければならない。
(避難階段)
第十条  建築物である路外駐車場において、直接地上へ通ずる出入口のある階以外の階に自動車の駐車の用に供する部分を設けるときは、建築基準法施行令 (昭和二十五年政令第三百三十八号)第百二十三条第一項 若しくは第二項 に規定する避難階段又はこれに代る設備を設けなければならない。
(防火区画)
第十一条  建築物である路外駐車場に給油所その他の火災の危険のある施設を附置する場合においては、当該施設と当該路外駐車場とを耐火構造(建築基準法第二条第七号 に規定する耐火構造をいう。)の壁又は特定防火設備(建築基準法施行令第百十二条第一項 に規定する特定防火設備をいう。)によつて区画しなければならない。
(換気装置)
第十二条  建築物である路外駐車場には、その内部の空気を一時間につき十回以上直接外気と交換する能力を有する換気装置を設けなければならない。ただし、窓その他の開口部を有する階でその開口部の換気に有効な部分の面積がその階の床面積の十分の一以上であるものについては、この限りでない。
(照明装置)
第十三条  建築物である路外駐車場には、次の各号に定める照度を保つために必要な照明装置を設けなければならない。
一  自動車の車路の路面           十ルックス以上
二  自動車の駐車の用に供する部分の床面   二ルックス以上
(警報装置)
第十四条  建築物である路外駐車場には、自動車の出入及び道路交通の安全を確保するために必要な警報装置を設けなければならない。
(特殊の装置)
第十五条  この節の規定は、その予想しない特殊の装置を用いる路外駐車場については、国土交通大臣がその装置がこの節の規定による構造又は設備と同等以上の効力があると認める場合においては、適用しない。

    第二節 駐車料金等

(駐車料金の額の基準)
第十六条  法第十三条第三項 の駐車料金の額の基準は、次のとおりとする。
一  能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ、適正な利潤を含む額をこえないこと。
二  自動車を駐車させる者に対し不当な差別的取扱となる額でないこと。
三  自動車を駐車させる者の負担能力にかんがみ、その利用を困難にするおそれのない額であること。
(供用時間等の明示)
第十七条  法第十二条 に規定する路外駐車場管理者は、路外駐車場を利用しようとする者の見やすい場所に、路外駐車場の供用時間及び駐車料金の額を明示しなければならない。

   第三章 特定用途

(特定用途)
第十八条  法第二十条第一項 後段の自動車の駐車需要を生じさせる程度の大きい用途で政令で定めるものは、劇場、映画館、演芸場、観覧場、放送用スタジオ、公会堂、集会場、展示場、結婚式場、斎場、旅館、ホテル、料理店、飲食店、待合、キヤバレー、カフエー、ナイトクラブ、バー、舞踏場、遊技場、ボーリング場、体育館、百貨店その他の店舗、事務所、病院、卸売市場、倉庫及び工場とする。

   第四章 雑則

(権限の委任)
第十九条  この政令に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その全部又は一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。

   附 則 抄
(施行期日)
1  この政令は、法の施行の日(昭和三十三年二月一日)から施行する。

   附 則 (昭和三五年一二月一九日政令第三〇二号)
この政令は、道路交通法の施行の日(昭和三十五年十二月二十日)から施行する。

   附 則 (昭和三七年七月二七日政令第三一〇号)
この政令は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和四四年六月一三日政令第一五八号) 抄
(施行期日)
第一条  この政令は、法の施行の日(昭和四十四年六月十四日)から施行する。

   附 則 (昭和四六年七月二二日政令第二五三号)
(施行期日)
1  この政令は、道路法等の一部を改正する法律(昭和四十六年法律第四十六号)の施行の日(昭和四十六年十二月一日)から施行する。
(経過措置)
2  この政令の施行の際現に設置されている路上駐車場若しくは路外駐車場又は現に新設工事中の路上駐車場若しくは路外駐車場については、この政令による改正後の駐車場法施行令第一条の二第七号及び第七条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、この政令の施行後自動車の出口又は入口の位置を変更する路外駐車場の当該自動車の出口又は入口については、この限りでない。

   附 則 (昭和六一年一二月二六日政令第三九三号)
この政令は、公布の日から施行する。

   附 則 (平成三年一〇月四日政令第三一七号) 抄
(施行期日)
第一条  この政令は、道路法及び駐車場法の一部を改正する法律の施行の日(平成三年十一月一日)から施行する。

   附 則 (平成一〇年一〇月二一日政令第三三一号) 抄
(施行期日)
1  この政令は、都市計画法の一部を改正する法律の施行の日(平成十年十一月二十日)から施行する。
(駐車場法施行令の一部改正に伴う経過措置)
8  前項の規定の施行の際小売店舗地区、事務所地区、娯楽・レクリエーション地区又は特別業務地区に関し、決定されている都市計画又は行われている都市計画の決定若しくは変更の手続は、同項の規定による改正後の駐車場法施行令第一条に規定する特別用途地区に関する都市計画又は都市計画の決定若しくは変更の手続とみなす。

   附 則 (平成一〇年一一月二六日政令第三七二号)
この政令は、平成十一年四月一日から施行する。

   附 則 (平成一一年一二月一日政令第三八四号)
この政令は、公布の日から施行する。

   附 則 (平成一二年四月二六日政令第二一一号) 抄
(施行期日)
第一条  この政令は、建築基準法の一部を改正する法律(平成十年法律第百号)の施行の日(平成十二年六月一日)から施行する。

附 則 (平成一二年六月七日政令第三一二号) 抄
(施行期日)
1  この政令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。